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「日本人の脳」に合うコーチング①

こんにちは、里奈です。
最近、経営者さんの交流会に参加して会話した中で、
「コーチングを受けたけど、どこかしっくりこなくて…」
「海外のコーチング本を読んだけど、実践するのは難しいね…」
「私には向いていないのかもな…」
といったご相談をいただきました。
これには、明確な理由があります!
実は、欧米で開発されたコーチング手法をそのまま日本人に適用しても、
期待したような効果が得られないケースが非常に多いのです。
今日は、脳科学の観点から、その根本的な理由についてお話しさせていただきますね。

コーチングは海外から輸入品

コーチングは1970年代にアメリカで誕生し、その後世界中に広まったメソッドです。
その後、個人の能力開発やパフォーマンス向上の成果が認められ、ビジネスの現場でも多くの企業が導入するようになりました。
日本でも1990年代後期から本格的に導入され、現在では企業研修や個人セッションへと広く活用されています。
しかし、ここに見落とされがちな重要な課題がありま
す。
たとえば、欧米のコーチングでは、こうした質問がよく使われます。
「What do you want to achieve?(何を達成したいですか?)」
「What’s your biggest goal?(あなたの最大の目標は何ですか?)」
「When do you want to accomplish this?(いつまでにそれを実現したいですか?)」
これらの質問に対して、多くの日本人クライアントはこのような反応を示します。
「みんなのお役に立てることがあればと思うのですが…」
「それほど大きなことは考えておりませんで…」
「家族や周りに迷惑をかけない範囲で、何かできればと…」
すると、コーチは「もっと具体的に、あなた個人の目標をお聞かせください」と促すことになります。
しかし、この段階で既にクライアントは委縮してしまい、本来持っているポテンシャルを発揮できなくなってしまうのです。
みなさんも、言われてみると、日本人らしい答えをしてしまうな…
と思うのではないでしょうか??
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
それは、私たち日本人の脳の構造や思考パターンが、欧米人とは根本的に異なる部分があるからです。

脳科学の観点から、日本人が違和感を感じる3つの理由

近年の脳科学研究により、日本人と欧米人の思考パターンには、言語と文化に起因する根本的な違いがあることが明らかになってきました。

【理由1】S・Vの語順が違うと、考え方や思考が変わる

これは、とっても興味深いことなのですが、
英語は主語・述語。の順番。
例えば、「私は→欲しい→リーダーになることを」という語順です。
「I want to become a leader」
一方で、日本語は主語、〇〇、述語。「私は→リーダーに→なりたい」。
最後まで聞かないと、何が言いたいのかわからない構造になってるんです。
実は、この言葉の順番が、私たちの思考パターンに大きく影響してるんです。
英語を話す人たちは、最初に「want(欲しい)」って行動を明確にして、結論を先に言う習慣がついています。ですから、思考も直線的で、パッと決断するのが得意。
一方、私たち日本人は、最後まで聞いてから全体を理解する習慣がついてるため、もっと慎重に、いろんなことを考えてから答えを出したい。
だから、いきなり「あなたの目標は?」って聞かれても、「え、ちょっと待って、いろいろ考えさせて」ってなっちゃうんですね。
実際の違いはこんな感じ:
欧米の人:「成功したい!→だから起業する→来年やる!」(直線的)
日本人:「家族のことも考えて…会社の人たちのことも…段階的に進めて…うまくいったらいいな」(螺旋的)
どちらも素晴らしい思考パターンなんですが、クライアントの思考パターンに合わせた、問いかけのアプローチをする必要があるのです。

【理由2】助詞や「てにおは」で機微を表現する日本人

さらに、日本語の面白いところは、「てにおは」(助詞)ひとつで、全然違う意味になることなのです。
例えば、
「私が行きます」→ 私がやります!という積極性
「私は行きます」→ 決めました、という意志の強さ
「私も行きます」→ みんなと一緒に、という協調性
「私を行かせてください」→ お願いします、という謙虚さ
同じ「行く」でも、全然印象が違いませんか?
私たち日本人は、この微細な違いを自然に感じ取って、相手の気持ちを読み取ることに大変たけています。
脳の研究でも、日本人は相手の感情を理解する時に、欧米の人より広い範囲の脳が活性化することがわかってるのです。
コーチングの現場でも、このことはすごく重要で、
クライアントさんが「やりたいことがあるんです」と言う時と、「やりたいことがあるんですが…」と言う時では、全然アプローチを変える必要があるのです。
例えば、「です」で終わる時は、ある程度自信を持ってる。 「が…」で終わる時は、何か不安や迷いが隠れてる。
欧米式のコーチングだと、この微細な違いを見逃してしまって、一律的に会話を進めてことが多く、そういうことがあるとクライアントは「なんか理解されてないかも」と無意識に感じ取って良い会話ができにくくなってしまいます。

【理由3】集団調和を優先する日本人の思考パターン

3つ目の違いは、日本人特有の集団思考と個人思考のバランスにあります。
「和を重んじる」という日本の文化的特徴は、単なる文化的な特徴などと思われがちですが、実は、脳科学的にも裏付けられた特性なのです。
日本人は個人の欲求よりも集団の調和を優先する思考回路が発達しています。
fMRI(機能的磁気共鳴画像)を用いた比較研究では、日本人と欧米人が他者の感情を推測する際の脳活動を分析したところ、日本人の方が「心の理論」に関わる脳領域がより広範囲に、かつ活発に働くことが判明しています。
つまり、日本人の脳は生物学的レベルで「相手のことを考える」ことに特化して発達しているのです。
この特性が、コーチングにおいて具体的にどのような影響を与えるかを見てみましょう!

転職相談の例:

欧米式のコーチなら、このような質問をします:
「なぜ転職をお考えなのですか?」
「新しい職場で何を実現したいですか?」
「あなたのキャリアにとってどのようなメリットがありますか?」
しかし、日本人の思考回路では、自動的にこれらの要素が頭に浮かびます:
「現在の職場の同僚に迷惑をかけるのではないか」
「お世話になった上司を失望させるかもしれない」
「家族の生活に影響が出るのではないか」
「後輩たちを残して去るのは申し訳ない」
個人の利益やキャリア向上にフォーカスしたアプローチを受けても、日本人の脳は本能的に関係性への配慮を優先してしまいます。
この根本的な違いを理解せずにコーチングを進めると、クライアントは「自己中心的になることを強要されている」ような感覚を持ち、内面的な抵抗を感じてしまうのです。

実際のセッションで現れる違い

これら3つの要因により、実際のコーチングセッションでは以下のような違いが顕著に現れます:
質問への反応パターン:
欧米人:「私の目標は年収1000万円の達成です」(明確・直接的)
日本人:「家族が安心して暮らせる程度の収入が得られればと思っております」(関係性重視・謙虚)
目標設定のアプローチ:
欧米人:「個人的成功の実現 → その後の社会貢献」(個人から社会へ)
日本人:「社会や家族への貢献 → その結果としての個人的成長」(関係性から個人へ)
モチベーションの源泉:
欧米人:自己実現への欲求、競争における勝利、個人的達成感
日本人:他者への貢献による充実感、調和の維持、周囲からの感謝や承認
その人の脳(思考)にあった、適切なアプローチで本来の才能が開花します
いかがでしょうか。
言葉の順番の違い、感情を読み取る繊細さ、みんなのことを考える優しい心。
これらは全て、私たち日本人の素晴らしい特徴です。
でも、だからこそ、自分たちの思考に合わせたコーチングが必要なんですね。
では具体的にはどうすればいいのか? どんな質問なら答えやすいのか? 目標設定の方法は?
これらについては、次回の記事「日本人のための脳科学コーチング実践法」で、詳しくお伝えします!
きっと「あ、こういうアプローチなら自然に答えられる」って感じていただけると思います。
あなたらしさを大切にしながら、でもしっかりと前に進んでいける。そんなコーチングを、一緒に体験してみませんか?
次回もお楽しみに!

高橋里奈

この記事を書いた人

高橋 里奈

株式会社シンクタンクたんぽぽ代表/ライフキャリアコーチ

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高橋里奈
著者
株式会社シンクタンクたんぽぽ代表
高橋 里奈
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